小学生になると、保育園・幼稚園で習っていた体育の内容が難しくなってきていつも以上に子どもが疲れて帰って来たり、スポーツを習い始める子どもが増えてきます。
その中で、子どもが急に夜に足の痛みを訴えたり、痛みを体験したことはありませんか?
今までは、成長痛だからほっておけば自然と治ると言われたり、言っていたと思います。
しかし、それは本当に成長痛でしょうか?
足の痛みをあまりにも軽視しすぎると大変な症状になる事もある事は知っていますか?
ここでは、ただの成長痛と思って放っておくと大変なことになる。そんな、オスグットに関しての正しい知識を知っていただこうと思います。
そもそも、オスグットとは?
正式名称は、オスグット・シュラッター病と言います。膝のお皿がある下の部分で、脛の上部で脛骨粗面(けいこつそめん)の骨が一部剥がれてしまう事を言います。成長期に頻発する、代表的なスポーツ障害の一つです。
オスグットは、筋肉が成長する、小学生から中学生の期間にスポーツなどの運動で運動量が急激に増えることにより多くみられるオーバーユース障害(ひざの関節を使いすぎる症状)の一つです。
膝を曲げると痛みを感じ、酷いと歩行困難になる場合もあります。
成長痛との違い
子どもは、成長期(幼児期、学童期、思春期)に成長痛と言う痛みの総称(呼び名)で足の下肢(膝から下)に痛みを訴える時期があります。
特に、小さい頃からスポーツをしてきた子どもに特に発症しやすい事から軽視されることが多くあります。
しかし、膝のオスグッド病や踵のシーバー病など運動をしているお子さんに多いスポーツ障害も「成長痛の一つ」として、表現されてしまうことがありますが、同じではありません。
成長痛とは、幼児期(3歳)~児童期(12歳)あたりでみられ、特に3歳~5歳あたりは、「一次成長痛」として、足の痛みが現れやすい時期とされています。夕方~夜(寝ている間)や朝方に痛みを訴えます。
常に痛い訳ではなく、月1~2回、週1~2回など不定期に痛む事が多いです。
遊んでいる時や学校、幼稚園は、痛みの訴えが少ない(痛みが数時間以内に治まる一過性)
痛い部位に腫れ・圧痛(押すと痛みを感じる)・関節の運動制限など炎症症状はなく、レントゲンを撮っても、
特に異常が見当たりません。
両親がさすってあげる、触ってあげると痛みが消えることがあるので、
この状態が2週間~1か月ほど続いている場合は、成長痛が考えられます。
オスグットになる原因は?
10~14歳で跳躍や、膝から下を強く前に蹴るような動作を多くしていると発症します。スポーツ動作の全般で発生しますが、特に、跳躍を必要とするバスケやバレーボール。
ダッシュ動作やキックを必要とするサッカーやテニス・バドミントンなどがあげられます。膝蓋骨(膝のお皿)の少し下方の盛り上がったところ(脛骨結節)に痛みと腫れを生じます。
膝を伸ばす動作は、大腿の前面にある大腿四頭筋が収縮して、脛骨結節が引っ張られて起こります。しかし、この部分は成長期ではまだ軟骨の部分が多くて弱いため、繰り返し引っ張られることで骨や軟骨の一部が剥がれます。これが、オスグッド病です。
一般的なオスグットの治療方法は?
基本的には、一定期間は行っているスポーツを休止しながら治療をすることになります。
整形外科などの外科的治療方法は、初期症状では、炎症を抑えるため、湿布の処方や自宅でのアイシングを行います。
それでも痛みが治まらない場合は、理学療法でストレッチや運動療法、筋肉の収縮を和らげるため温法などの処置をほどこす事が多いです。
整骨院や、整体院になると、アイシングを行ったうえで、骨を牽引している大腿四頭筋(太ももの筋肉)など、太もも周りの筋肉を指圧やストレッチなどの手技、テーピング療法を使ってほぐす方法が多く使われます。
初期なら短期間スポーツ活動を一部制限するだけで治りますが、症状が悪化すると一定期間、局所の安静が必要となります。さらに進むと装具療法や、時には手術が必要となります。放置すると疼痛が成長終了後にも残ることがあります。
当店での施術方法は?
当店では、オスグットに対しての対策として、痛みの出ている膝だけではなく体の全身を当店独自の検査・施術方法で行います。その理由は、痛みの出ている膝には痛みの根本的な原因はないと考えているからです。
跳躍や瞬発的な動作を過度に行った事で、大腿四頭筋などの筋肉を収縮、硬化させた結果発症した症状です。
そのため、筋肉の収縮・硬化の結果で負傷した膝を施術しても、オスグットを引き起こした原因を施術しない事には、なかなか良くはならないですし、再発するかのせいもあります。
なので、当店では痛みの出ている箇所だけでなく体全身の施術を行い、オスグットの痛みの軽減を図っていきます。
オスグットに効果的なストレッチ
オスグットは、太ももの前にある大きな筋肉の大腿四頭筋が柔軟性を低下させて起こる症状です。
お子さんをうつ伏せにして、膝から下の足をお尻に向かって押してください。
*この時、無理に押しすぎると筋肉損傷になる可能性もあるので軽く痛がるところで20秒静止してください。
大腿四頭筋が硬くなっていると立ち姿が、股関節が軽く曲がっていてお尻が後ろに出ているような、高齢者がなりやすい姿勢になっているはずです。
大腿四頭筋や、骨盤周りの筋肉が発達して、柔軟などのケアーができていないためにお尻を体の中心に入れることができなくなります。
その時は、ヨガの動きにある「キャット&カウ」をすると股関節回りの動きが柔軟になりオスグットの再発対策にもなります。
最後に・・・
オスグットとは、過度な運動による筋肉の収縮による症状です。
学校での運動以外でのスポーツをしていると筋肉に負担がかかり過ぎる場合があります。
だからと言って、運動量を制限してしまうと、向上心をもってスポーツに真剣に向き合っている子どもの成長を妨げてしまうことになります。
その場合は、スポーツ後のストレッチを念入りに行ってください。学校外でスポーツをしている子は、スポーツ後にストレッチをすることは多いと思います。
しかし、運動後に負担している筋肉にどれだけストレッチが必要なのかと指導してくれる指導者は、まだ少ないと聞きます。それに、子ども同士でのストレッチでは、取り組み方によっては全く効果を発揮しない事があります。
正しいストレッチの方法、重要さを親御さんが理解して、お家で行う事でスポーツ後のストレッチの大切さを学び、親子の良いコミュニケーションにもなります。
オスグットの恐ろしいところは、成長痛と勝手に判断して放置し、重症化させてしまい、半年~1年、2年と治療をしたり、膝関節を完全固定させたり、手術をしなくてはならないほど重症化させてしまう事です。
安易に、ただの成長痛と思わずに、専門の方に相談することも、子どもの今後のスポーツ人生を豊かにしてあげる一つではないでしょうか。